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週刊朝日増刊号 あなたの悩みはこれで解消!「全国漢方治療医リスト2296人」
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天皇陛下のがんの手術で、にわかに注目を集めている前立腺は男性特有の臓器で、膀胱の下に位置している。尿道と精管が中を通っているため、肥大したり、がんができたりすると尿道が圧迫されて排尿困難などの症状が出てくる。 「45歳を過ぎたころから増えてくる前立腺肥大症は加齢現象の一つです。排尿困難や残尿感、頻尿、尿失禁などが主な症状で、重い場合には手術となりますが、比較的軽い場合は薬で治療します」 と仁藤博院長は言う。 西洋医学では、尿の通りをよくするα 1受容体遮断薬(尿道や前立腺部のα 1という受容体を遮ることで交感神経の刺激が伝わらないようにする薬)や抗コリン薬(副交感神経の働きを抑え、頻尿や尿失禁を抑制する薬)を症状に合わせて使う。厄介なのは排尿困難と尿失禁の両方の症状がある場合だ。尿が出にくい排尿困難と尿失禁は相反する症状だが、両方を併せ持つ人も意外に多い。 「前立腺肥大症の患者さんは、実は膀胱の機能にも異常があることが多いのです。膀胱には蓄尿と排尿の機能があり、前者には交感神経、後者には副交感神経がかかわっています。加齢によって、この二つの自律神経のバランスが崩れるのではないかと考えられます。 α 1受容体遮断薬も抗コリン薬もそれぞれの症状にはよく効くのですが、相反する両方の症状を同時に改善することは難しくなります。西洋薬の効果はピンポイントに発揮されますからね。体全体の機能を高めて症状を改善する漢方薬はこういうケースにはたいへん好都合です」 ●高齢者向きの良薬、牛車腎気丸 Aさん(70)は1年ほど前から尿が出にくく、残尿感を覚えるようになった。夜は2、3回トイレに起き、最近は就寝中に失禁をすることも。気になって趣味の旅行もできず、一日じゅう家にひきこもっていた。 仁藤院長はまずα 1受容体遮断薬(商品名ハルナール)を処方した。排尿はスムーズになったが、夜間に失禁する回数も量も増え、昼間にも下着を汚すようになってしまった。やむをえず尿を出にくくする抗コリン薬(バップフォー)も処方したところ、失禁は改善したものの、再び尿が出にくくなった。 そこで牛車腎気丸(ごしゃじんきがん・1日5グラム)を2回に分けて飲んでもらったところ排尿困難は問題ない程度まで改善し、失禁もなくなった。積極的に外出し、毎日の生活を楽しんでいるそうだ。 牛車腎気丸は加齢とともに失われた腎気(腎の陽気)を補い、全身に気を巡らせる補腎剤だ。 「高齢になって腎虚(腎気が失われた状態)に傾くと、泌尿器の障害だけでなく、冷えや目のかすみなどが現れてきます。補腎剤を使うと、こういった腎虚による複数の症状がよくなります。Aさんも排尿困難だけでなく、腰痛や目のかすみが改善して喜んでいました」 同じように排尿困難と尿失禁で受診した会社役員Tさん(72)の場合は、牛車腎気丸で両方の症状が改善した。だが、まだ少し尿が出にくかったので、α 1受容体遮断薬も一緒に飲んでもらった。1週間ほどで尿がすんなり出るようになり、尿失禁も再発していない。 「漢方薬で全身の気を補うことで、複数の症状を同時に改善させ、それでも改善しきれない症状にだけ西洋薬を使う。そういう使い方をすれば漢方薬と西洋薬双方の利点を生かすことができます」 仁藤院長は八味地黄丸(はちみじおうがん)もよく使うこの処方は証に関係なく使うこともできるそうだ。 ●尿管結石には猪苓湯がよい 男性に多い尿管結石にも漢方薬が非常に効果的だという。石の形や大きさ、位置にもよるが、側腹部や下腹部の激しい痛みで来院し、レントゲン検査で発見される例が多い。 「石が大きい場合は体外から超音波や衝撃波を加えて砕く治療をしますが、10ミリ径以下であれば薬物療法で経過をみます。その場合、私は西洋薬よりも猪苓湯(ちょれいとう)を処方しています」 食品メーカーの営業マンSさん(40)は、ある晩、下半身の激痛に襲われ、仁藤院長のところに駆け込んできた。 レントゲン検査で尿管に8ミリ径の石が写っていた。そこで鎮痛薬(ボルタレン)と同時に猪苓湯(1日7.5グラムを3回に分服)を飲んでもらった。 2週間後、Sさんは「なんの痛みもなく石が出てきた」と報告してきた。出た石はトイレに流してしまつたというので、念のためレントゲンで確認してみると尿路内に石は残っていなかった。 仁藤院長が猪苓湯を処方した50人を調べてみたところ、 10ミリ径以下の結石は、4週間のうちに半数が排出されていたという。 「猪苓湯には利水作用のほか、石の表面を滑らかにする働きがあるので、大した痛みを伴わずに石が排出されます。出たことに気づかない人もいるほどです。また、証に関係なく処方でき、副作用もほとんどありません」 |
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